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プルービング

■オルガノン第274章

ではここで問題を提起したい。確実にしかも穏やかに作用するのに最も適したごく微量とはどの程度なのか、したがって、最善の治療をするために症例に対してホメオパシー的に選ばれたそれぞれのレメディを一つだけ投与するとき、その投与量はどれほど微量でなければならないか、ということである。

こうした問題を解決するということは、言いかえると、投与量がごく微量であるからこそ最も穏やかで最も迅速な治療が成し遂げられるのであるから、ならばどの程度のレメディの投与量がホメオパシーの治療目的に十分なのかを、それぞれのレメディに対して規定する、ということである。

こういうことは、容易にわかるように、理論的な推測の仕事ではない。頭でどんなに考えても、屁理屈をこねても、この問題について得られる回答は、せいぜいありそうだと考えられるすべての症例を前もって一つの表に記録することが可能であるということにすぎない。

こうした問題を個々のすべての症例において規定することができるのは、唯一全く純粋なプルービング、各患者が刺激を受ける能力の注意深い観察、そして正しい経験である。 

…(後略)…

プルービング とは、そのレメディーがどんな作用をもっているか?

どんな状態にある人に処方すれば治癒的に働くのか?

を調べる方法です。

例えば、ハーネマンはキナの皮を自分の体で実験し、その症状を詳細に書き留めました。これをプルービングといいます。

詳しい方法は、健康な人たちが集団でそれをとり、その後、自分たちに出て来た症状を書き留めていきます。

この作業を、 「プルービング」(Proving証明、ドイツ語ではPrüfung試験)といい、そこに参加する人を「プルーバー」(Prover証明する人、ドイツ語ではPüfer試験者)と呼びます。

何かの薬を物質でとった場合、出てくる症状は、わかりやすいものになりますが(発熱、吐き気など)、レメディの場合、なかなか症状の出方が難しく、微細で精妙な症状となって現れます。

プルーバーは、レメディーをとってから約1ヶ月間、自分の身に起きたことを、身体、感情、精神を問わず、詳細に書き留めていきます。

その後、プルーバーたちの記載を集めてまとめ、共通する身体症状や心の動きなどを集約し、そのレメディについてを解説した専門書となる「マテリアメディカ」(MM)が出来上がります。

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